キーストンが考えるエギのバランスとは
エギのバランス
エギのバランスの考え方については、メーカーによっても様々だろう。今回は、キーストン製のエギのバランスの考え方について解説したいと思う。キーストンエギの中で沈下速度の違うV0、V0+、V1、V2のラインナップのあるエギシャープ。沈下速度の違いによってシンカー位置を調整し、ボディ浮力も変えている。それはベストなバランスを実現するためであるが、何をもってベストと考えるか、逆にバランスが悪いエギとはどういうことを言うのか解説していこう。
沈下速度が速くなると当然シンカー重量が重くなる。シンカー重量が重くなると、エギのバランスも変わってくる。写真を見て頂ければわかると思うが、キーストン製エギはシンカーの位置が沈下速度の違いによって位置が違う。これはベストなバランスを実現するためである。キーストンが考えるベストなバランスとは
・フォールが前傾姿勢で安定している
・シャクリからフォールへの移行がスムーズ
・着底時エギが寝ない
バランスの悪いエギとは
上記でベストなバランスのエギについて書いているが、バランスの悪いエギとはその逆である。フォールが傘針から沈下する、フォールが旋回する&安定しない、シャクリ時エギが変な動きをする、シャクリからフォールに移行する際スムーズではない、着底時にエギが寝てしまう。そういったことがバランスの悪いエギと言われてる。例えると、エギシャープ3.5号V0のシンカー位置にV2のシンカーをセットすると、このバランスの悪いエギになってしまうのです。
※バランスが悪いから釣れないというわけではありませんが、根掛りは圧倒的に増えます。
エギシャープ沈下速度
画像を見て頂ければわかると思うが、1m沈下するのにこれだけの差がある。ただ、重量差で比べると、ごくわずかな差である。3.5号で比較すると、3.5号V0(15g)、3.5号V0+(16g)、3.5号V1(17g)、3.5号V2(20g)
沈下速度の違いによるシンカー位置を、わかりやすくするために白い線を書いて比較してみる。V2はエギの前方にあるのに対し、V0とV0+はエギの中心部に近い位置にある。
シンカーの重量に合わせて、ベストな位置を割り出し設計している。
※V0とV0+のシンカーは同じ位置に設置し、ボディの浮力調整でベストバランスを実現している。
エギの飛行姿勢
シンカーが重たいとよく飛ぶかと言われれば、正解でもあり間違いでもある。エギの飛距離は飛行姿勢で大きく変わってくる。エギシャープ3.5号V2が20gに対し、V0が15g。5gの重量差があるが、実は飛距離はあまり変わらない。それはなぜなのか
重量のあるV2タイプはエギの前方にシンカーがあるため飛行姿勢は画像の通り、エギが立ったような姿勢で飛んでいくため空気抵抗が大きく、途中で失速してしまう。逆にV0やV0+はシンカーがエギの中心部にあり、失速しにくく空気抵抗がすくないため、飛距離が伸びる。
エギの飛距離は、飛行姿勢によって大きく変わってくるのである。
根掛かりを減らし釣果に繋げる
キーストンでは長年「トータルバランスが重要」と謳ってきた。飛距離が飛んでも、バランスが悪いとダメ、バランスが良くても飛距離が飛ばなければダメ、良く釣れるけど根掛かりが多ければダメ。
飛距離、フォール、シャクリ、感度、姿勢、動き、耐久性、トータルバランスの良さが結果的に信頼につながり、釣果に繋がってくると考えている。まだまだ改善できる商品もあると思う。発売したら開発や改善は終わりではなく、発売してからが第二の開発、改善のスタート。これからもその思いは変わらず、もの作りに励みたい。